スポンサー広告

こちらの広告は、30日間更新のなかったブログに掲載されています。
新たに記事を投稿することで広告を非表示にすることができます。  

Posted by スターリンクさがみ運営事務局  at 

2016年09月09日

高校3年の春が終わり




桜前線がどこまでといった話題がテレビのニュースから聞かれなくなり、気付けば青々とした葉を伸ばして日陰を作っていた。
生きていることを思い切り主張するように葉を広げても、だれも見向きもしない。
そんな桜並木ほどではないが、現実の自分も似たような状況だと思った。
ただ違ったのは、それでも桜は、つい2週間ほど前は通る人の足を止めるほど、競って場所取りをされるほどに注目されていたことだった。
しかし、自分は注目されることを望んでいるわけではなく、むしろ放っておいてもらえる方が楽だと思っている。
そんな時間をかなり長く過ごしていると振り返って、木漏れ日を落とす葉桜を見上げた頭を下した。


あの一件から2年が経っていた。
春香、羽賀、春香の母親と、自分の身近にいる人が立て続けに亡くなった。
しかも自分で命を絶った。
祖父母すら健全で、まだ一度も身内で不幸を経験していない僕にとって、在ることが当然のものが予期せずに消えることがなかなか受け入れられずにいた。
しかし、2年の歳月で枯葉の落ちた裸木にも、少しずつ生きて行く為の、何か知恵のようなものが葉となって付いてきた。
花を咲かせて人を呼ぶようなことはなくても、今は、あるゴールに向かって生きていけるだけの養分は確保しているように思えた。
  

Posted by 風の記憶  at 13:06Comments(0)